2017年02月26日

研磨した刀剣の御紹介(佐州元彦)

 研磨を差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 佐州元彦の刀で明治五年の作です。
 新々刀の佐渡の刀匠で大慶直胤の門人で、刃文に江戸の新々刀の特徴が良く出ています。
 あまり名前が知られていないのは、明治に成り作刀の機会が減ってしまった為と思われます。
 参考ページ https://www.city.sado.niigata.jp/sadobunka/k/c/city109.htm
 
 2尺7寸の長寸で身幅が大変広く重ね厚く反りが浅い勤王刀姿をしています。
 地鉄は良く詰んで刃文は互の目、丁子が交り先の方は沸が荒く成り、切っ先は沸崩れ覇気が有ります。
 
 長寸で身幅が広いので重量がかなり有り研磨作業は中々大変でした。 
 長く重く成ると下地研ぎで刀を構えるのも、仕上げで先の方を仕上げる時に手元の方が下がるので支えるのも力が要ります。
 刃取りは細かく成り過ぎ無い様に留意して作業をしました。

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2017年02月06日

研磨した刀剣の紹介(兼元)

 研磨差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 兼元の金象嵌が有る御刀です。
 金象嵌の銘字は兼元の書体をそのまま写して有ります。
 美濃伝の特徴が良く出た作品です。
 地鉄は鍛えの良い鉄に大肌交り鎬地は柾目に成り、刃文は互の目を連ねて尖り刃が入る三本杉で刃中に働きが有ります。

 研磨は、棟と鎬地に赤錆が有りこれを金剛砥で除去して下地研ぎを進めました。
 仕上げの刃取りは、細かい刃文の場合は刃文の山を二つ三つ纏めて刃取りする場合が多いのですが、今回は刃文の山と山が離れていて纏めて取れないので刃文に忠実に細かく刃取りしました。
 本来の刃文を刃取りでも想像できる様に成り結果は良かったと思います。

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2017年01月31日

映画「沈黙」を見る

 映画の沈黙を見て来ました。
 概ね原作通りの展開で時間の長さは有りますが苦には成りません。
 ただ、原作に忠実すぎてセリフ過多なのと映画としての創造性が少々無い気はしますね
 台湾でロケをした様で日本の風景とは少し違い、日本の景色の美しさがもっと有ったら悲劇的な物語と対比でより劇的な要素に成ったかも知れないと思いました。
 ラストはやや蛇足な気がしました。
 キリスト教の迫害を日本の風土性や民族性に起因している様なセリフが有りました、原作にも同じようなセリフは有りますが、それ程大きな扱いやテーマでは無いのですが、映画では強調して居る気がしてそれは少し見当違いな気もしましたね。

 原作は、現在も世界中で悲劇が起きていますが何故に祈りに対して沈黙して奇跡を起こしてくれないのか、と言う事に弱者の側からの一種の結論を導いてくれています。
 原作を読まずに映画を見た方が、あらすじが分からない分よりドラマチックに鑑賞できるかも知れません

 変な日本趣味が無く考証は丁寧にしている感じです。まあ、外国語が喋れる日本人が多いな、とは思いましたが映画なのでそうしないとストーリーが展開しないのかも知れないです。
 
 本筋とは関係無いのですが、重箱の隅を突く様な事を言えば刀の下げ緒を帯に挟んでいましたが、これは居合道とかをしている人が指導したのでしょうか。幕末の古写真を見ると刀の下げ緒は鞘に結んだままですし、絵などでは鞘の後ろを回して垂らしていた様で、帯に挟むのは割と現代の武道からで、あまり古い習慣では無いと思って居ます。
 江戸時代でも武道の時は帯に挟んだ可能性は有りますが
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2017年01月24日

熱田神宮へ行く。

 土曜日は熱田神宮に行って来ました。
 知り合いの甲冑師さんが誘ってくれたので宝物館の展示を見て来ました。
 宝物館は現在厳島神社の国宝古備前友成太刀や足利尊氏奉納の国宝短刀の展示をしています。
 ゲームの影響から刀剣に関心を持つ女性が増えましたが、まだブームの影響は続いているのか結構若い女性の見学者が多かったです
 折角、熱田神宮に来たので参拝もしましたが、一月半ばでも人が多く行列をしなければいけない様な状況でした。寒かったです
 
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2017年01月16日

鑑定会

 土曜日は協会支部の鑑定会、新年会が有り行って来ました。
 一年最初の鑑定会は本式で行われるので一回しか入札出来ない一本入札で行われます。
 結果は95点でした。天位同点でしたが入札順が後だったので地位でした。
 協会の講師の方ですので典型作が多く素直に入札した所良く当たり良かったです。新年から縁起が良いです
 鑑定と研磨は車の両輪みたいな事ですから鑑定も大事な事です。
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2017年01月08日

研磨した刀剣の紹介(大慶直胤)

 研磨差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 大慶直胤の平造り脇差で、身幅が広く寸が延び、刃文地鉄には相州伝が強く出た作です。
 
 銘は「喜翁藤直胤 嘉永七年二月」と切っています。嘉永七年は安政元年と同じで安政四年に直胤が亡く成っていますので晩年の作で喜翁は70過ぎからの銘の様です。
 直胤は水心子正秀の高弟で作域が広く備前伝、相州伝、大和伝も造っています。当時としては長命でしたので作品も比較的多いと思われます。
 また、大阪、伊勢、京都、伊豆など色々な場所に行ってそこで作刀して、それを銘した作も多く残っています。

 この御刀の研磨は、平成28年度研磨外装技術発表会に於いて、平造りの部で努力賞を受賞致しました。
 
 研磨作業は生刃が残る健全な作品なので、それを残して極力減らさない様に留意して作業をしました。
 地鉄に太い地景が入り地沸付いた相州伝ですので、それらの働きが見える様に地砥、地艶を行いました。この御刀には表裏に彫が有りますので地艶の作業も彫の周りは気を付けて行わないと地鉄に傷を付けてしまうので注意して作業をしました。
 また、この御刀は見た目より地鉄が柔らかいので肌をこなすのが難しい面も有りました。
 刃取りは、刃沸が地沸と繋がっている部分が有り、その辺りの刃の取り方は工夫しました。

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 表 草の倶利伽羅の彫が有る。
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 裏 護摩箸に梵字の彫が有る。
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 表 中程
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 裏 中程
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 裏 切っ先
 
 
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2017年01月01日

明けましておめでとうございます。研磨した刀剣の御紹介(大和志津)

 新年明けましておめでとうございます。
 本年も宜しく御願いを致します。

 大和志津の御刀を御紹介致します。
 大和志津は美濃伝の祖、志津兼氏が美濃国移住前に大和国で作刀した刀の事を言いますが有銘確実な作は有りません。志津の作に大和伝が出ている作品を総称して大和志津と呼んでいる様です。

 この御刀の研磨は、平成28年度研磨外装技術発表会に於いて協会会長賞を受賞致しました。
 
 この作は刃中に金筋が長く現れ、地鉄には相州伝が強く地沸地景が良く出ています。
 鎬幅(樋幅)が広く成り切先が延びています。
 
 研磨作業は地鉄の肌、働きが出る様に時間を掛けて内曇、地艶を行い、刃取りは細かく成り過ぎ無い様にゆったり取る事を心掛けました。

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表。
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裏。

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表中程。
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裏中程。
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切先。

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ハバキ元。ハバキ下の樋中にも今回は流しの線を入れてみました。
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2016年12月20日

赤羽刀の研磨終了する。

 赤羽刀の研磨作業が終了する。
 かなりの深錆だったが幸い殆ど傷気も無く、地刃がしっかりとしている。
 赤羽刀は、戦後進駐軍の方針で接収されて一時期、東京の赤羽で保管されていた刀剣類の事で、所持者が不明の物は所縁の自治体に移譲されて研磨修復を行っているものです。

 切っ先から横手部分に掛けての錆は特に深くクレーター状に凹んでしまっていたので研磨作業は中々に大変でした
 研磨は盛る事は出来ないので、凹みが有る場合はその高さまで達するまで地道に砥石を当てて錆を取り面を整えねばいけませんが、焼の入って居る刀は堅く作業は簡単には進みませんし、また無理に錆だけ落とそうとすると地鉄が凹んでしまうので、ひたすら根気作業に成ります。焦りは禁物です
  
 和鋼の場合、ある程度錆びた所で安定する要素が有りますので表面の錆を落とすと中からは綺麗な地鉄が表われて来る場合が有り、この辺りが不思議な部分ですね

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 最初の状態。

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 荒砥で錆を落とした状態。

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 仕上がり表側。

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 仕上がり裏側。
 
 


 
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2016年12月13日

研磨外装技術発表会。

 刀剣研磨外装技術発表会の展示も今週の日曜までです。
 御都合の良い方は是非ご見学下さい
 東京代々木 刀剣博物館 http://www.touken.or.jp/museum/index.html
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2016年11月26日

授賞式に行く。

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 25日は刀剣博物館に於いて研磨外装技術発表会の授賞式が有り出席して来ました。
 初出品から十数年、毎年結果に関係無く授賞式には参加して来ましたが、刀剣博物館の建て替えの為この会場で授賞式が行われるのは最後になる様で感慨も有りますね

 本年度の結果ですが、鎬造りの部は「協会会長賞」平造りの部は「努力賞」でした。
 やっと特賞に成ったので嬉しい事ですが、上はまだまだ有り安心している訳には行きません。何時かは一番上の賞を取れる様に精進したいと思います。
 
 授賞式の前には勉強会が有り実際に受賞作品を手に取って観る事ができ、これは毎年一番楽しみにしている事です。
 それに仕事場と会場とでは見え方も違いますから、その辺り今後出品する際に参考にして行く事に成ります。
 
 授賞式の後は刀職の方々と懇親会に行きました。思えば研ぎ師に成った時には刀関係の知り合いは、殆ど居なかった訳ですから、こうしてお付き合い差せて頂けることも有難い事です

 代々木の刀剣博物館に於いて研磨外装技術発表会入賞作品展が11月29日〜12月18日まで開催されます。御見学頂ければ幸いです。
posted by 楽屋 at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本刀研磨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月08日

近状を。。

 前の日記から一か月近く経ってしまいました
 10月の後半は、毎年の事ですが研磨外装技術発表会への出品刀の研磨をしなければ成らず、これは締め切りが決まっている事ですから精神的にも重圧感を感じます。
 出品も重要な事ですが常の仕事もせねば成らず、その辺りの日程の調節が難しいです。
 取り敢えずは、締め切り以内に出品出来て良かったです。
 本年も鎬造りの部、と平造りの部に出品しましたが、一振りでも大変なのに二振りは流石に疲れました
posted by 楽屋 at 14:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月15日

表彰式。

 今日は、関市教育委員会表彰と言うのを頂けることに成ったので市役所での授賞式へ行って来ました。
 中々、この様な年齢に成って賞状を頂く事は無いのですが、刀の仕事をしている関係で表彰して頂けたりする機会も有り有難い事です
 賞状と副賞の置時計を頂きました。

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2016年10月13日

新作名刀展

 関市伝承館では、10月23日まで新作名刀展を開催しています。
 これは本年度の新作刀コンクールの入賞、入選、無鑑査の作品を展示するものです。 
 機会が有れば御見学下さい

 詳細 http://www.city.seki.lg.jp/0000010158.html
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2016年10月11日

一柳城(大洞城)

 岐阜県関市上之保に有る一柳城です。大洞城とも言います。
 城の来歴に付いてはウィキペディアを御覧下さい。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E6%9F%B3%E5%9F%8E

 上之保は関市の奥まった所の盆地ですが郡上八幡に至る要衝でその守りの城です。
 両側を川に挟まれた小高い山で、全体の城域はかなり大きな物の様ですが、整備が殆どされていない上に林道や植林で遺構が破壊されている部分が多く残念です。
 石垣や大きな竪堀が残っていて良好な城跡なのですが、史跡などにしていされていないのか草が生い茂り、石垣もかなり崩壊している部分が有ります。
 草に埋もれた部分にも石垣が残っていますが、私一人では中々立ち入れず残念です。
 
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 縄張りです。

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 天然の谷かと思うほどの大きさですが、どうやら人工的な竪堀の様です。
 こちら側から登った辺りにも石垣が残存していますが草に覆われていて良く確認できません。

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 二の丸辺りの石垣。この辺りの石垣が一番保存状態が良いです。大きな石は門の跡らしいです。

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 本丸辺りの石垣はかなり崩壊していますが一部残っています。本丸は一段高く成った部分が有り建物跡かも知れません。

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 崩壊した石があちこちに転がっています。石自体はあまり大きく無いですが割って加工して有る石です。
 
 
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2016年09月19日

刀御譲りします。

 御刀、お譲り致します。御希望の方はメールを下さい。
 価格は、35万円です。

 武道で使用される場合は、鍔がガタ付いていますので責め鉄して直します。また柄もキツク成る様に致します。この場合、別途3万円頂きますので38万円に成ります。

 刀銘の真贋は保証出来ませんので御理解を下さい。
 尖り刃を連ねた刃文です。
 
 onkatana@d6.dion.ne.jp

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posted by 楽屋 at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする