2018年02月06日

研磨した刀剣の紹介(無銘、陸奥守歳長)

 研磨作業を差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 無銘で古極めでは直江志津に成っている御刀と薙刀の陸奥守歳長です。

 無銘の御刀は中々判別が難しく古極め通り直江志津かも知れませんし、相伝備前系の刀剣の様な気も致します。地には相州伝系の働きが有り刃文は良く沸く良い御刀です。
 研磨作業は地刃の働きを出すように作業を致しました。

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 もう一振りは陸奥守歳長の薙刀です。
 地刃がしっかりとして形もガッチリとして力強い薙刀です。
 歳長は江戸時代前期の刀工で阿波の出身で京堀川派に学び後に阿波に戻って作刀しています。
 薙刀は形状的に下地研ぎが難しい面が有りますし、刃も硬いので研磨作業は難儀しましたが綺麗に仕上がったと思います。

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2018年01月03日

研磨した刀剣の御紹介(研磨外装技術発表会出品作)

新年明けましておめでとうございます。
本年も宜しく御願いを致します。


 研磨差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 昨年の刀剣研磨外装技術発表会(研磨コンクール)に出品差せて頂いた、基光の刀と来国光の短刀です。

 鎬造りの部に出品しました御刀は無銘、基光です。努力賞を頂きました。
 基光は長船兼光の弟子の刀工で南北朝期に活躍しました。
 この御刀は、南北朝の的な姿で身幅広く切っ先が大きく成り、元は長大な太刀だったと思われますが後世擦り上げられて常寸無銘に成りました。

 鍛えは板目、杢目交り、地景複雑に入り地沸厚く付く相伝備前の地鉄に成り、元には乱れ映り中程は棒状の映りが立ちます。
 刃文は、互の目、丁子交りの複雑な刃文に所々飛び焼が有り、小沸出来です。

 研磨作業は地鉄の働きが良く出る様に、合わせて映りも見良く成りように心掛けて作業致しました。
 刃文は複雑ですので品良く見える様に留意して作業致しました。

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 平造りの部に出品差せて頂いた御刀は折り返し銘の来国光です。努力賞を頂きました。

 来国光は来国俊の子で南北朝期に活躍しました。
 来国俊より時代を反映して大振りも姿に地刃相州伝の色合いが強く成ります。

 この御刀は元はもう少し長さが有り1尺を超える寸法だったと思われますが、擦り上げられて銘は折り返して残されました。
 裏の元に添え樋の痕跡が有りますので、元はもう少し身幅、重ねが厚かったと思われます。
 表に素剣に梵字、裏に樋の彫が有ります。

 鍛えは板目肌、刃寄り稍板目肌に成り、地沸良く付いて、地景入ります。全体に淡く乱れ映りが立ちます。
 刃文は、元と先が細直刃状、中程が湾れて、金筋、足等入り働きが豊富です。
 強く沸いて刃縁良く冴えます。

 研磨作業は、地鉄の働き、映りが見える様に心掛け大肌が出ない様に作業致しました。
 地鉄は柔らかく気を使って作業を致しました。
 刃文は細いので刃取りが難しく、地鉄に刃艶が大袈裟に食み出さない様に気を付けて作業を致しました。

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 刀剣研磨外装技術発表会の展覧会は、両国の新刀剣博物館で1月19日から始まります。
 どうぞ、御見学下さいませ。
 
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2017年12月10日

研磨した刀剣の御紹介(直江志津)

 研磨作業を差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 直江志津の古極めが有る御刀です。地刃に相州伝が強く志津系の特徴を良く表しています。
 大擦り上げ無銘で樋と添え樋が有ります。
 直江志津は兼氏(志津)の後裔、一門の刀工の総称で在銘は少なく大擦り上げ無銘が多いです。

 この御刀は地鉄は地沸良く付いて所々沸が固まり湯走りに成り地景が細かに入り強い鉄です。
 刃文は互の目に尖り刃を交えて沸が強く刃中働き多く明るく冴え、切っ先は殆ど一枚帽子に成ります。
 地刃共に優れた作品です。

 研磨作業は古研ぎで錆も有りましたので、備水砥で錆を取り形を整え、内曇砥を良く引き地艶を良く効かせて地鉄の働きを出すように心掛けました。
 刃文は尖り刃が交るので刃取りが難しいので注意して作業をしました。
 地鉄の働き、刃文共に良さを引き出せる研磨が出来たと思います。

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2017年12月02日

刀剣研磨外装技術発表会の授賞式に行って来ました。

 12月1日に開催された刀剣研磨外装技術発表会授賞式に参加して来ました。
 今年は、鎬造り、平造りの両部門で努力賞を頂きました。

 本年からは両国の新刀剣博物館での開催に成りました。
 新しい博物館は両国駅西口を出て5分程の場所で国技館の隣の安田庭園内に有ります。
 庭園の入り口から入れる様にも成るそうで、そうなると更に駅からのアクセスも良く成ります。 
 近くには相撲博物館、江戸東京博物館(現在は改装休館中です)も有り観光するにも、とても良い場所です
 まだ、展示室は開館前で入れませんでしたが、ロビーや売店も広く成り庭園の見える休憩室も有り、とても綺麗で洗練された建物です。

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 前日には受賞作品を鑑賞する勉強会が有り、じっくりと拝見を差せて頂きました。
 今後の研磨に活かしたいですね。
 終了後は池袋に行きワインも沢山飲んで、とても楽しい時間を過ごしました

 授賞式は厳粛な雰囲気の中行われました。
 授賞式の後には記念写真を撮って頂いたり賞状を頂いたりしました。
 やはり、一人づつ賞状と記念カップを頂ける特賞を、来年はまた受賞したいなと思いました。
 研磨出品に御協力頂ければ幸いです。
 その後は、研ぎ師の方達と懇親会をして楽しく過ごしました
 また、来年に向けて研磨の事を見つめ直して技術の向上をして行こうと決意致しました。

 1月19日からは刀剣博物館で新作刀剣の受賞作と合わせての展覧会が開催されます。
 お出かけ下さりますと幸いです。

 現代刀職展 -今に伝わる「いにしえの技」

 
 
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posted by 楽屋 at 23:47| Comment(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月15日

東京オフ会へ行く。

 先日土曜日に東京で開かれた刃物オフ会へ行きました。
 長船の彫金師の片山氏が主催で行われている会で今年で10回目だそうです。
 東京でのオフ会は今年が初参加でした。
 ナイフ等の刃物関係の人が多いので、大阪、名古屋とはちょっと雰囲気が違いました
 会場では鑑賞の後に、手料理が出ての懇親会が有り、場所を変えて二次会も行われ楽しく過ごして来ました。
 次の日は、埼玉で行われた居た上杉三十五腰展を見て帰りました。
 車での移動はちょっと疲れましたが日々仕事ばかりなので、たまの遠出は気分転換に成りました
posted by 楽屋 at 20:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月31日

旧ホームページの閉鎖。

 今まで長らく使用していたディオンのホームページが旧式化に伴い本日を持ちまして閉鎖されます。
 新ホームページは既に立ち上げていますので、これまで通り御利用頂けますと幸いです。
 
 旧ホームページは独立して直ぐに造り長く私の仕事を支えてくれたましたので無く成るのは寂しい気持ちも有りますね
 10数年前は研ぎ師や刀関係のページも少なく、それで仕事の依頼を受ける事には批判的な意見や干渉も有りましたが、何の伝手も無い独立したての研ぎ師が仕事を得る手段としては他に方法も無く始めた事でしたが、仕事の依頼も段々と増え、刀剣関係の知り合いも増え、研ぎ師としてもコンクール等で結果を出せる様に成りましたのでホームページを作って良かったと思って居ます。
 
 旧ホームページは手作り感満載の拙いページでしたが今まで御利用下さり有難うございました。
 今後とも宜しく御願いを致します。

 御刀研磨処楽屋
 
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2017年10月26日

結果通知来たる。

 研磨外装技術発表会の結果通知が来ました。
 本年は鎬造りの部、平造りの部ともに努力賞に成りました。
 今年も無事に出品する事が出来まして御刀の御持ち主様には感謝致します。

 今年は出品刀の目途が立たず、どうなる事かと思案したり悩ましい時期が有りましたが出品する事が出来、両部門で入賞出来た事は嬉しく感じています
 また、来年も頑張りたいと思います。

 今年からは両国の新刀剣博物館で受賞式が有ります。まだ、少し先ですが参加しましたら御報告したいと思います
 
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2017年10月23日

近況。

 長らくブログも更新していませんが、日々忙しく作業をしています。
 途中、刃物祭りや昨日は選挙、台風が来たり色々な事が起きます。
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2017年10月02日

研磨コンクール&名古屋オフ会

 今年も締め切りに間に合わせて研磨外装技術発表会に出品する事が出来てホッとしています
 今年は出品刀で苦戦をしましたが、どうには二部門出品と言う目標は達成できました。
 今年から新刀剣博物館での受賞式、展示に成ります。結果は勿論気になるのですが、これは私にはどうする事も出来ないのでやる事をやって出品するだけです。

 土曜日は、名古屋市での刀剣オフ会に行って来ました。
 名古屋市能楽堂で行われましたが大変に盛況で参加者も多く、回を重ねるごとに参加者も早く埋まってしまうように成ってきたみたいです。
 懇親会の料理も美味しく大満足でした。名古屋だと日帰り出来るのも有難いですね。
 次回は東京で11月に行われるようですから興味の有る方はTwitter、Facebookなどでチェックしてみて下さい
 能楽堂は初めて行きましたが、能の公演も定期的に行われているみたいですから、そちらにも興味津々で一度行って見ようかな、等と思って居ます。
 
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2017年09月05日

色々。

 九月になり段々と秋めいて涼しく成って来ました。
 暑い暑いと言いつつも夏の終わりは寂しくも有ります

 先週は名古屋に行った折りに徳川美術館の天下人の城展を見て来ました。
 暫く休館していた本館も再開して展示物も多く、城好きにはとても面白い展示でした。

 今年は研磨コンクールが10月の初めに締め切りですので9月中に作業を終えなければいけません。
 今週末から作業に入れればと思っていますが、その前に鞘作業に出す段取りを済ませないと作業が今後滞ってしまいますし、コンクールの作業ばかりを行っている訳にもいかないので通常の研磨作業と並行してですので九月は色々と気忙しいです
 
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2017年08月21日

刀剣合宿に行きました。

 お盆もほぼ作業をしていたが、土日は夏休みで富山へ刀剣合宿と言う催しに行って来ました。
 郷義弘や則重ゆかりの史跡やお城の見学、秋水美術館と水墨美術館を見たり旅館に泊まったりと楽しく過ごして来ました。
 普段は同じような日々を送っていますが、珍しくリア充的な二日間でした
 この後の大事なイベントとしては研磨コンクールが有ります。
 結果云々よりも出品に漕ぎ着けなければ話にもなりません。
 8月5日の日記の内容、まだ御願いを致します
posted by 楽屋 at 23:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月05日

主辺の色々。

 最近暑い日が続いています
 暑い暑いと思って居ると急に天気が悪く成り豪雨に成ったり天候も安定しませんね。
 
 一時刀の業界も不況で研磨の方も依頼が少なく、どうなってしまうのかと思う時も有りましたが数年前から段々と景気が上昇して来たのに伴い研磨の御依頼も多く成り、今年は特に沢山の御依頼を頂いて御納めまでの期間が段々と長く成ってしまい御迷惑をお掛けしています。
 諸工作、特に鞘師の作業が混み合ってしまっていて、そこで結構時間が掛かってしまうのも納期が遅れてしまう原因です。
 刀の作業は個人でするオーダーメイドですので、どうか御理解を頂けますと幸いです

 
 
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2017年07月30日

研磨した刀剣の御紹介(行廣 肥前)

 研磨作業を差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 肥前の初代行廣です。
 銘は肥前刀の掟通りに裏に有ります。

 初代行廣は、初代の忠吉の孫に成ります。父親は忠吉の娘婿の吉信で兄には河内大掾正廣がいます。
 
 反りが浅く、やや細身で先に行って身幅を狭めて切っ先が小さくなる寛文新刀の姿に成ります。
 地鉄はやや肌立ち気味ですが地沸が良く付き肥前刀の特徴のある地鉄です。肥前刀で焼が高い場合は小糠肌でも肌立つ傾向が有る様です。
 刃は沸出来の丁子刃で一部が飛び焼に成り大変に覇気の有る刃文です。

 研磨作業は刃の斑を極力直し、地鉄に深いヒケ傷が沢山付いていたので前の研磨は全て取り研磨し直しました。

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2017年07月25日

研磨した刀剣の御紹介(飛騨守氏房)

 研磨差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 飛騨守氏房の刀です。
 身幅広く、切先が延びた慶長新刀の豪壮な姿に成ります。
 茎は少し擦り上げて区を送っていますが銘は残っています。

 飛騨守氏房は若狭守氏房の息子で美濃国関に生まれ後に名古屋と移って作刀しています。
 若狭守氏房は末関の雰囲気が濃く残っている作風ですが、飛騨守氏房に成ると新刀然として相州伝風が強く成ります。
 両者共通して元の方に少し形の崩れた互の目を三つ四つ連ねて焼刃が良く有ります。
 この御刀にも有りますが、沸出来で少し沸崩れています。

 この御刀は地鉄は詰んで綺麗で地沸が良く付きます。
 刃は沸出来で上半は沸が強く成り、刃中に働きが有ります。

 研磨作業は切っ先が大きいのでナルメの作業が大変でした。

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2017年07月14日

研磨した刀剣の御紹介(横山祐永)

 研磨を差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 横山祐永の脇差です。
 横山祐永は幕末の備前鍛冶で本名は横山覚之助と言い加賀介を受領して菊文と一の字を切る事を許され、この御刀にも菊文と一の字が切って有ります。
 また、友成五六代孫とも称しています。
 
 やや細身で反りが高い姿です。
 地鉄は板目肌が極積んで地沸が付き綺麗です。
 刃文は匂出来で、菊の花の様な華麗な丁子刃で良く冴えます。
 直刃で焼出し帽子は小丸に返ります。

 研磨作業は部分的に錆が有りましたので荒砥で除去して下地研ぎから行いました。
 地刃が硬く内曇砥の作業は中々に大変でした。

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