2018年06月03日

研磨した刀剣の紹介(尾崎助隆)

 研磨作業を差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 尾崎助隆の脇差で享和二年の作です。
 
 尾崎助隆は新新刀初期、大阪の刀工で寛政、享和辺りに活躍しました。
 濤乱刃を得意として制作しています。
  
 この脇差は鎬に掛かるぐらいに高い所の有る濤乱刃を高低の変化を付けて焼いています。
 刃が明るく、刃縁が細かく働きます。
 新新刀期には濤乱刃を焼く刀工が何人も出ましたが、尾崎助隆は個人的には助廣に一番接近する出来の濤乱刃を焼く刀工と思います。

 研磨作業は最初の状態があまり良く無かったので荒い砥石で下地研ぎから始めました。 
 刃が硬いので内曇砥を引くにも力が要ります。
 濤乱刃の刃取りは中々難しく工夫しました。

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2018年04月21日

研磨した刀剣の紹介(貞宗と銘がある短刀)

 研磨作業を差せて頂いた御刀の紹介をします。
 貞宗と銘の有る短刀で、相州の貞宗には在銘が有りませんので、それとは違う貞宗と思われます。
 研磨作業をする前は錆身で地刃が分からない状態だったので偽名かと思って居たのですが、作業を進めると激しい皆焼の刃文が現れ、銘も相応の時代を経ていて偽名とも思われない様に感じました。
 銘鑑で調べてみると薩摩に江戸末期に貞宗と言う刀工が居る様です。茎先の形状も奥元平を思わせる様な形状です。
 現状では真贋は不明ですが、地刃の出来と合わせて興味深い御刀です。

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2018年04月16日

長野へ行きました。

 昨日は長野県の千曲市へ行きました。
 長野北支部さんの御厚意で会員で無くても鑑賞会に参加させて頂けるとの事で、鑑賞会には上杉三十五腰の一振りからかしわ(長谷部国信)が出品され、この機会を逃すと中々手に取って拝見する機会は無いであろうと思い出掛けました。
 長野の支部の方々は初対面の人にも気さくに接して頂いて有難かったです。
 からかしわ、が出品されるとの事で遠方からの女性の参加者が多く刀イベントで御会いする方達も沢山来られていました。

 からかしわ、は鎬に掛かる程の高い焼刃と地には飛焼が激しく掛かり流石の名刀でした。地鉄も細かく詰んで綺麗でした。
 その他重要美術品の短刀が有り、重要刀剣、特別重要刀剣有りで素晴らしい鑑賞会でした。
 私が強く印象に残ったのは宝寿の応仁の年紀がある短刀で、刃は沸深い互の目乱れで冴え、地鉄は良く鍛えられた鉄にウネル様に地景が入り、銘が有るので宝寿と分かりますが無ければ南紀国重辺りに見るかも知れません(個人的感想)。
 宝寿の作はあまり拝見する機会が無いですが、この様な作も有るのだな、と感心した次第です。
 
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2018年03月27日

現代刀職展に行きました

 日曜日に刀剣博物館で開催中の現代刀職展に行って来ました。
 会期が日曜日までで、行こうかどうしようか迷ってはいましたが折角の機会ですし、新しい博物館の展示も気に成っていたので思い切って車で出かけました。
 東京までは高速を乗りっぱなしで行けるとは言え5〜6時間は掛かるのでやはり遠く特に帰りは疲れました

 東京は岐阜より桜が早く開花していてすっかり春めいていました。
 刀剣博物館の展示室は以前より広く成り、ゆったりと鑑賞出来ます。
 また、照明もLEDに成り刀身も良く見えます。
 差し込み研ぎの刃文が寄りハッキリと見えるに感じました。
 私の出品作も刀、短刀と二振り展示されて居たので嬉しかったです。
 前の博物館の時はコンクールの授賞式と日程が近くそれ程頻繁に東京に行ったり来たり出来ないのと年末で忙しく結局一回もいけませんでしたので、刀剣博物館での研磨コンクールの展示を見るのは初めてに成りました。
 その後は、上野の国立博物館にも行きましたが上野は桜とパンダのせいで人混みがすごくて大変でした
 皇居の東御苑を散策した方が良かったかも知れないと後で思いました。
 日帰りは大変でしたが思い切って行って良かったです。

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2018年03月04日

刀剣博物館の展示

 両国の新刀剣博物館で開催中の現代刀職展で3月6日から私が研磨した刀、無銘基光と短刀来国光が展示されます。
 機会の有る方は御見学下さい
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2018年02月06日

研磨した刀剣の紹介(無銘、陸奥守歳長)

 研磨作業を差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 無銘で古極めでは直江志津に成っている御刀と薙刀の陸奥守歳長です。

 無銘の御刀は中々判別が難しく古極め通り直江志津かも知れませんし、相伝備前系の刀剣の様な気も致します。地には相州伝系の働きが有り刃文は良く沸く良い御刀です。
 研磨作業は地刃の働きを出すように作業を致しました。

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 もう一振りは陸奥守歳長の薙刀です。
 地刃がしっかりとして形もガッチリとして力強い薙刀です。
 歳長は江戸時代前期の刀工で阿波の出身で京堀川派に学び後に阿波に戻って作刀しています。
 薙刀は形状的に下地研ぎが難しい面が有りますし、刃も硬いので研磨作業は難儀しましたが綺麗に仕上がったと思います。

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2018年01月03日

研磨した刀剣の御紹介(研磨外装技術発表会出品作)

新年明けましておめでとうございます。
本年も宜しく御願いを致します。


 研磨差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 昨年の刀剣研磨外装技術発表会(研磨コンクール)に出品差せて頂いた、基光の刀と来国光の短刀です。

 鎬造りの部に出品しました御刀は無銘、基光です。努力賞を頂きました。
 基光は長船兼光の弟子の刀工で南北朝期に活躍しました。
 この御刀は、南北朝の的な姿で身幅広く切っ先が大きく成り、元は長大な太刀だったと思われますが後世擦り上げられて常寸無銘に成りました。

 鍛えは板目、杢目交り、地景複雑に入り地沸厚く付く相伝備前の地鉄に成り、元には乱れ映り中程は棒状の映りが立ちます。
 刃文は、互の目、丁子交りの複雑な刃文に所々飛び焼が有り、小沸出来です。

 研磨作業は地鉄の働きが良く出る様に、合わせて映りも見良く成りように心掛けて作業致しました。
 刃文は複雑ですので品良く見える様に留意して作業致しました。

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 平造りの部に出品差せて頂いた御刀は折り返し銘の来国光です。努力賞を頂きました。

 来国光は来国俊の子で南北朝期に活躍しました。
 来国俊より時代を反映して大振りも姿に地刃相州伝の色合いが強く成ります。

 この御刀は元はもう少し長さが有り1尺を超える寸法だったと思われますが、擦り上げられて銘は折り返して残されました。
 裏の元に添え樋の痕跡が有りますので、元はもう少し身幅、重ねが厚かったと思われます。
 表に素剣に梵字、裏に樋の彫が有ります。

 鍛えは板目肌、刃寄り稍板目肌に成り、地沸良く付いて、地景入ります。全体に淡く乱れ映りが立ちます。
 刃文は、元と先が細直刃状、中程が湾れて、金筋、足等入り働きが豊富です。
 強く沸いて刃縁良く冴えます。

 研磨作業は、地鉄の働き、映りが見える様に心掛け大肌が出ない様に作業致しました。
 地鉄は柔らかく気を使って作業を致しました。
 刃文は細いので刃取りが難しく、地鉄に刃艶が大袈裟に食み出さない様に気を付けて作業を致しました。

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 刀剣研磨外装技術発表会の展覧会は、両国の新刀剣博物館で1月19日から始まります。
 どうぞ、御見学下さいませ。
 
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2017年12月10日

研磨した刀剣の御紹介(直江志津)

 研磨作業を差せて頂いた御刀の紹介を致します。
 直江志津の古極めが有る御刀です。地刃に相州伝が強く志津系の特徴を良く表しています。
 大擦り上げ無銘で樋と添え樋が有ります。
 直江志津は兼氏(志津)の後裔、一門の刀工の総称で在銘は少なく大擦り上げ無銘が多いです。

 この御刀は地鉄は地沸良く付いて所々沸が固まり湯走りに成り地景が細かに入り強い鉄です。
 刃文は互の目に尖り刃を交えて沸が強く刃中働き多く明るく冴え、切っ先は殆ど一枚帽子に成ります。
 地刃共に優れた作品です。

 研磨作業は古研ぎで錆も有りましたので、備水砥で錆を取り形を整え、内曇砥を良く引き地艶を良く効かせて地鉄の働きを出すように心掛けました。
 刃文は尖り刃が交るので刃取りが難しいので注意して作業をしました。
 地鉄の働き、刃文共に良さを引き出せる研磨が出来たと思います。

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2017年12月02日

刀剣研磨外装技術発表会の授賞式に行って来ました。

 12月1日に開催された刀剣研磨外装技術発表会授賞式に参加して来ました。
 今年は、鎬造り、平造りの両部門で努力賞を頂きました。

 本年からは両国の新刀剣博物館での開催に成りました。
 新しい博物館は両国駅西口を出て5分程の場所で国技館の隣の安田庭園内に有ります。
 庭園の入り口から入れる様にも成るそうで、そうなると更に駅からのアクセスも良く成ります。 
 近くには相撲博物館、江戸東京博物館(現在は改装休館中です)も有り観光するにも、とても良い場所です
 まだ、展示室は開館前で入れませんでしたが、ロビーや売店も広く成り庭園の見える休憩室も有り、とても綺麗で洗練された建物です。

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 前日には受賞作品を鑑賞する勉強会が有り、じっくりと拝見を差せて頂きました。
 今後の研磨に活かしたいですね。
 終了後は池袋に行きワインも沢山飲んで、とても楽しい時間を過ごしました

 授賞式は厳粛な雰囲気の中行われました。
 授賞式の後には記念写真を撮って頂いたり賞状を頂いたりしました。
 やはり、一人づつ賞状と記念カップを頂ける特賞を、来年はまた受賞したいなと思いました。
 研磨出品に御協力頂ければ幸いです。
 その後は、研ぎ師の方達と懇親会をして楽しく過ごしました
 また、来年に向けて研磨の事を見つめ直して技術の向上をして行こうと決意致しました。

 1月19日からは刀剣博物館で新作刀剣の受賞作と合わせての展覧会が開催されます。
 お出かけ下さりますと幸いです。

 現代刀職展 -今に伝わる「いにしえの技」

 
 
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2017年11月15日

東京オフ会へ行く。

 先日土曜日に東京で開かれた刃物オフ会へ行きました。
 長船の彫金師の片山氏が主催で行われている会で今年で10回目だそうです。
 東京でのオフ会は今年が初参加でした。
 ナイフ等の刃物関係の人が多いので、大阪、名古屋とはちょっと雰囲気が違いました
 会場では鑑賞の後に、手料理が出ての懇親会が有り、場所を変えて二次会も行われ楽しく過ごして来ました。
 次の日は、埼玉で行われた居た上杉三十五腰展を見て帰りました。
 車での移動はちょっと疲れましたが日々仕事ばかりなので、たまの遠出は気分転換に成りました
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2017年10月31日

旧ホームページの閉鎖。

 今まで長らく使用していたディオンのホームページが旧式化に伴い本日を持ちまして閉鎖されます。
 新ホームページは既に立ち上げていますので、これまで通り御利用頂けますと幸いです。
 
 旧ホームページは独立して直ぐに造り長く私の仕事を支えてくれたましたので無く成るのは寂しい気持ちも有りますね
 10数年前は研ぎ師や刀関係のページも少なく、それで仕事の依頼を受ける事には批判的な意見や干渉も有りましたが、何の伝手も無い独立したての研ぎ師が仕事を得る手段としては他に方法も無く始めた事でしたが、仕事の依頼も段々と増え、刀剣関係の知り合いも増え、研ぎ師としてもコンクール等で結果を出せる様に成りましたのでホームページを作って良かったと思って居ます。
 
 旧ホームページは手作り感満載の拙いページでしたが今まで御利用下さり有難うございました。
 今後とも宜しく御願いを致します。

 御刀研磨処楽屋
 
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2017年10月26日

結果通知来たる。

 研磨外装技術発表会の結果通知が来ました。
 本年は鎬造りの部、平造りの部ともに努力賞に成りました。
 今年も無事に出品する事が出来まして御刀の御持ち主様には感謝致します。

 今年は出品刀の目途が立たず、どうなる事かと思案したり悩ましい時期が有りましたが出品する事が出来、両部門で入賞出来た事は嬉しく感じています
 また、来年も頑張りたいと思います。

 今年からは両国の新刀剣博物館で受賞式が有ります。まだ、少し先ですが参加しましたら御報告したいと思います
 
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2017年10月23日

近況。

 長らくブログも更新していませんが、日々忙しく作業をしています。
 途中、刃物祭りや昨日は選挙、台風が来たり色々な事が起きます。
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2017年10月02日

研磨コンクール&名古屋オフ会

 今年も締め切りに間に合わせて研磨外装技術発表会に出品する事が出来てホッとしています
 今年は出品刀で苦戦をしましたが、どうには二部門出品と言う目標は達成できました。
 今年から新刀剣博物館での受賞式、展示に成ります。結果は勿論気になるのですが、これは私にはどうする事も出来ないのでやる事をやって出品するだけです。

 土曜日は、名古屋市での刀剣オフ会に行って来ました。
 名古屋市能楽堂で行われましたが大変に盛況で参加者も多く、回を重ねるごとに参加者も早く埋まってしまうように成ってきたみたいです。
 懇親会の料理も美味しく大満足でした。名古屋だと日帰り出来るのも有難いですね。
 次回は東京で11月に行われるようですから興味の有る方はTwitter、Facebookなどでチェックしてみて下さい
 能楽堂は初めて行きましたが、能の公演も定期的に行われているみたいですから、そちらにも興味津々で一度行って見ようかな、等と思って居ます。
 
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2017年09月05日

色々。

 九月になり段々と秋めいて涼しく成って来ました。
 暑い暑いと言いつつも夏の終わりは寂しくも有ります

 先週は名古屋に行った折りに徳川美術館の天下人の城展を見て来ました。
 暫く休館していた本館も再開して展示物も多く、城好きにはとても面白い展示でした。

 今年は研磨コンクールが10月の初めに締め切りですので9月中に作業を終えなければいけません。
 今週末から作業に入れればと思っていますが、その前に鞘作業に出す段取りを済ませないと作業が今後滞ってしまいますし、コンクールの作業ばかりを行っている訳にもいかないので通常の研磨作業と並行してですので九月は色々と気忙しいです
 
posted by 楽屋 at 00:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする